のろわれたー

長期休暇を隠すところには隠して静かに不義理を決め込んでいたのが、お天道様にはまるっとお見通しで、そりゃあいかんよって懲らしめられた。懲らしめにしてはきつい。感染性の急性胃腸炎、のようです。症状から鑑みての素人判断だけど、恐らく流行のアレやね。

水曜の夜、ライブから帰ってきて余韻にムフムフしてたらムカムカっていうか臓腑がよじれる感覚に急転直下の地獄行き。上よ下よの大騒ぎって、胃が弱いとか普段から愚痴ってる私ですが、なかなか珍しいことで、「あー、もらっちゃったな、これは」って。出しながら、塩素系の洗剤で掃除しちゃう情熱と冷静の間。冷たいものを飲んだらびっくりするやろと思ってわざわざぬるま湯作ってちょっと飲んだら、そのちょっとがまた起爆剤になって、こんだけ気を遣ったのに何でよー。って「水分を摂っても吐く」とリアルタイムで検索すると、なるほどそうなんやね。こういうときは比喩じゃなく、湿らす程度、舐めるだけ、が限界なのね。飲める量を、舐める→ひとくち→ふたくち→ごくごくに増やしていく歩みだけでも、なんつうか身体を看る自分と回復する身体の自分と手取り足取りだ。(今日は炊いた芋を食べた!)右を下にして横たわるしかキープできる姿勢がなくて、眠れないけど首の筋を寝違えて、何が辛いってこれがいちばん後をひいて今も痛い。

とにかく感染性の胃腸炎だとすると、この爆発したての身体ではコンビニに行くのもテロなんじゃないかと思いつつ、自販なら大丈夫かしら…ボタンを押すのもなんだか怖いわ。ていうかこの脱水感、ふらついてやばいわ…。A型の人ってメールでも起きるっていうから、夜明けを待って、ルプミヘー。店の奥さまに「アクエリを…」ってお願いして、昼、届けていただく。ドアノブに「ゴトッ」とペットボトルの入った袋がかかる音。命、繋がった。

金曜・土曜の記憶があまりない。ベッドでスマホと対話してた。履歴は、「ノロ 出勤 いつから」「胃腸炎 食事」「ビオフェルミン 消費期限」「胃痛 ツボ」。久しぶりに見る浅い時間のテレビ番組は誰かが何かを美味しそうに食べてばかりで、お腹がすく。身体の側からの兵糧攻めとか、ちょっと意味判らない。おすし食べたいってともだちにメールしたら、治ったらおすし行こうねって返ってきた。吐き下しは治まってきた。いっときあった高熱も落ち着いた。胃の鈍痛は安中散でやわらいだ。体力は明らかに落ちてるだろうけど、とんかつ食べたら治るー!とんかつー!(今夜はおかゆ。)

苦しくて目を閉じている間、冬の枯れた山道の景色の中にいた。心象風景ではなくて、さいきんずっとそういうのばかり見ていたからだろう。街に帰ることが前提のひとりの山道はやはり居心地が良い。今朝、眠ると仕事に戻っていた。働きたくないけど働かなきゃという、こちらこそが素直な心象風景。

仕事に使うつもりで買ったやつ。イケアのごっついワゴンを掘り返して厳選した。